
バセドウ病は、甲状腺を異常に刺激する物質(TSHレセプター抗体といいます)が体内で作られ、この物質がどんどん甲状腺ホルモンを大量に作らせてしまう病気です。男性より女性に多くみられます。
他の自己免疫疾患と同様に、なぜ抗体が作られてしまうのかはわかっていません。原因が不明のため、根本的に治療するのは難しいこともありますが、適切な治療を受けて甲状腺ホルモンをコントロールしていれば、健康な人と変わらない生活ができます。
しかしながら放置しておくと、心臓病(不整脈や心不全)、甲状腺クリーゼのような命に関わる病気を引き起こしたり、女性では流産や早産の危険が高くなったり、胎児に影響することもありますので、早期に発見し、きちんと治療することが大切です。
妊娠・出産も治療して前もって甲状腺ホルモンの濃度を正常にしておけば、普通の人とまったく変わりません。
昔からバセドウ病では、次の3つの症状が代表的な症状とされています。
甲状腺ホルモンは、体の新陳代謝を活発にするホルモンです。
そのため、甲状腺ホルモンが過剰状態にあるバセドウ病の患者様は、一見生き生きとして皮膚のツヤもよく、元気そうに見える一方で、無駄にエネルギーの浪費をしていることになりますから、じっとしている時でも、走っている時と同じくらいエネルギーを消費する状態と考えてください。
下記の症状はいずれも甲状腺の機能亢進による症状です。
など、年齢などによってさまざまな症状があります。
甲状腺腫とは、甲状腺のはれのことをいいます。
人によってはれの程度はさまざまですが、くびの前面が全体的にふくらみ、くびが太くなったように見えるばあいもあります。
■正常な甲状腺
■びまん性甲状腺種
まず、血液検査で甲状腺ホルモンの量を測定し、過剰になっているかどうかを調べることが中心です。またバセドウ病であれば、甲状腺を刺激するTSHレセプター抗体(TRAbやTSAbなど)が血液のなかから検出されます。
甲状腺の腫大の程度や、偶然にしこりが合併していないかをしらべます。
まれですが血液検査だけでは診断がむずかしい場合には、アイソトープ(放射線ヨード)検査を実施する場合もあります。その場合は他の施設にご紹介いたします。
甲状腺ホルモンの過剰をおさえる治療を行います。
それには、内服薬治療(抗甲状腺薬、場合によりヨード剤)、放射性ヨード治療(アイソトープ)、手術の3つの方法があります。それぞれ長所と短所がありますので、病気の状態のほか、年齢や患者様の生活にも影響しますので、どの治療法が適切なのか、一緒に考えていただければと思います。
薬の治療では、過剰なホルモン合成を抑える薬(抗甲状腺薬)を服用し、通常は1~3ヶ月ほどで自覚症状もとれ、普通の人とまったく変わらない生活ができるようになります。
ただし、抗甲状腺薬には、発熱や関節痛、無顆粒球症、肝機能障害、血管の炎症など副作用がおきることがありますので、内服を開始してから3ヶ月間は副作用がおきていないか、2週間に1度程度来院して検査が必要です。その後は数ヶ月毎の検査になります。
放射性ヨードを服用して、甲状腺の細胞をこわしてホルモンの量も減らす方法です。手術よりは手軽ですが、効果が出るのに半年から1年くらいかかることがあります。
ただし、同じように治療しても細胞の減り方が人それぞれであるため、逆に甲状腺の機能低下を起こす場合があります。しかし機能低下になった場合でも機能亢進の症状よりずっと楽ですし、甲状腺ホルモン薬(チラーヂンS)を服用するだけです。
甲状腺の一部を残して大部分を切除する方法です。
手術の最大の長所は、薬と違って効果が短期間で確実に現れる点です。しかし、入院が必要なこと、多少手術に伴う苦痛があること、そして首に手術創が残ることが欠点です。
甲状腺の機能亢進状態が続いている間は、心臓にも負担がかかっているため、病状に応じて活動はある程度制限する必要があります。
しかし、治療によって甲状腺ホルモンの濃度が正常になったら、定期的な通院・検査を行っていれば、普通の人とまったく変わらない生活でかまいません。バセドウ病の人は臆病になる傾向がありますが、治療していれば、スポーツでも趣味でも、何でも自由に楽しんでください。食事も何を食べても結構です。また、ヨードのとり方を心配する人もありますが、極端にとらなければ食べてかまいません。
事前にお電話で予約を受付いたします。
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